怖め
こわめ
形容動詞
標準
文例 · 用例
しかし、その後の様子は、不審怪訝なぞというよりも、何か潜在している――恐怖めいた意識に唆られているようだった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
あのスペードの王様が、まだ生きているなんて」「いいえ、算哲様なら、ハートの王様なのでございます」と鎮子はほとんど反射的に叫んだが、と同時にまた、ハッとしたらしく恐怖めいた衝動が現われて、いきなりその指環を、小指に嵌め込んでしまった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
叮嚀に書院へ通すよう」「かしこまりましてございます」 ――しばらく経って常氏は近習数人を後に従え悠然と書院へ歩を運んだが、怖めず臆くせず設けの座に端然と坐っていた右京次郎を見ると「ははあこれは本物だな」と、さすがにすぐに直覚した。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
伸子は鈍い恐怖めいたものを心臓に感じた。
— 宮本百合子 『伸子』 青空文庫
しかし、そこには彼の恐怖めいた怯みは微塵も掠めなかった。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫