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物神

ぶっしん
名詞
1
標準
文例 · 用例
熊楠いう、十五度は多過ぎる、前に春分を以て交わるといったでないか、日本でもその通りと見え、内田邦彦氏の『南総俚俗』に、世の始めに諸動物神前に集まり性交について聞く、神、誰は年に一期、彼は年に二期と定むると、皆|畏みて去った。
馬に関する民俗と伝説 十二支考 青空文庫
我國の最初の母なる神、造物神、その伊邪那美の神の永遠に眠れる墳墓の地とは伯耆と出雲の國境にあるといひ傳へられるところから、さういふ想像が生れて來たのか。
島崎藤村 山陰土産 青空文庫
まして、いわんや、フランスがえりの梶なる男が、青畳の上にころがって官能的にこの世の力を悦びながら「南無、天知、物神、健かにましまし給え」と随喜する、その神々の健全なりし時代の日本的感情の中に於ておや。
――横光氏の「厨房日記」について―― 「迷いの末は」 青空文庫
そして野蠻人なら、かういふ驚くべき物神の前には、崇拜の極平伏するだらう。
スティーヴンスン 若い僧侶の話 青空文庫
商品には一切のブルジョア社会関係が、その人的関係をも含めて、含蓄されている(商品の物神崇拝性)。
戸坂潤 科学論 青空文庫
それでなくてもアカデミックな科学財の通弊として、知識は恰も物神崇拝性を持つ金貨のように、拝物化され勝ちであるのに、それが文芸の場合であれば愈々耐え難いものとなるだろう。
戸坂潤 現代哲学講話 青空文庫
ブルジョア社会に於ける商品は、社会自身の構造を自分の構造として集約している、商品には一切のブルジョア社会関係が、その人的関係をも含めて、含蓄されている(商品の物神崇拝性)。
戸坂潤 現代唯物論講話 青空文庫
ブルジョア社会の官許医学は或る意味では、いわば高級な宗教的神聖味の代りに、物神崇拝的な神聖味を持っている。
戸坂潤 世界の一環としての日本 青空文庫