推出
推出
名詞
標準
文例 · 用例
おぬるくて、のろい癖に、もの見高な、せっかちで、お天守見届けのお使いの帰るのを待兼ねて、推出したのでござります。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
」 とお貞は推出すがごとくに言う。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
揚幕より推出されて、多勢の見物の見る目恥かしく、しのぶ、小稲とともに狂言のなかに立交りて、舞台に鞠唄うたいし声の、あやしく震いたるも多日がほどぞ。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
四五間しかないそうですが、泥水を装って川へ一時に推出して来た、見る間に杭を浸して、早や橋板の上へちょろちょろと瀬が着く騒。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
」 夫人は端然として傍目も振らず、侍女二人は顔見合せ、吐息と共に推出す一言、「おお危い。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
」 と友禅の座蒲団を直して、桐火桶を推出したまい、「何ですか大層お急きだことね。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
……大勢の弟子のうちから、地震に散ばらないのだけ、四五人|誘合って、てこに、麻縄、鋤、セメントなんどを用意して、シャツにズボンばかり、浴衣に襷がけの勢で推出したんです。
— 泉鏡花 『露萩』 青空文庫
して見れば将門は恋の叶はぬ焦燥から、車を横に推出したことになる。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫