法権
ほうけん
名詞
標準
文例 · 用例
中国人が、治外法権、領事裁判の撤廃を絶叫するのは、こんなところから原因していた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
弁護人としては被告の弁護権を擁護するの重責があるとともに、又司法権が如何に正当に行用されるかを監視せねばならぬ。
— 平出修 『畜生道』 青空文庫
確実に精神が色界即ち物質の世界の法律に支配されていて、治外法権のようなものは或る許された小範囲だけにしか存在しない事を語っているのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
この委員会の上に立つべき政務長官と、全サモアの司法権を握るべきチーフ・ジャスティス(裁判所長)と、この二人の最高官吏は欧洲から派遣されることとなり、又、爾後、王の選出には政務委員会の賛成が絶対必要と定められた。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
一種の治外法権ともいうべき旗本屋敷に潜伏して、無事に月日を送っていれば、容易に町方の眼にも触れなかったのであるが、お近は江戸へ帰ると、間もなく更に新らしい恋人を見つけ出した。
— 白蝶怪 『半七捕物帳』 青空文庫
それに昔は人|毎に必ず畜生に勝るてふ法権上の理解もなかった(ラカッサニュの『動物罪過論』三五頁)。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
司法権はいつも政党政派の上に超越さしておかなければ、現にこのような場合に……」「……いけないッ……君はまだ解らんのか」 総監はすっかり平生の威厳を取り返した。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
今は故人になった前の福岡市の名市長、佐藤平太郎氏は神戸署の一巡査の身で、外人の治外法権制度に憤慨し、神戸居留地域を離るる一間ばかりの処で、人力車夫に暴行して逃げて行く外人を斬って棄て、天下を騒がした豪傑であるが、氏は語る。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫