鳩尾
みぞおち異読 みずおち
名詞
標準
pit of the stomach
文例 · 用例
彼の笑といふ笑は哄笑であり、その度に鳩尾の上辺りに垂れてゐる白の、幅広く厚くもある旧式の羽織紐が、トロントロンと揺れた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
うつくしき人は寂として石像のごとく静なる鳩尾のしたよりしてやがて半身をひたし尽しぬ。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
くく、くく、という笑いが、鳩尾から頸を上って鼻へ来る。
— 岡本かの子 『娘』 青空文庫
さてもその夜は暑かりしや、夢の恐怖に悶えしや、紅裏の絹の掻巻、鳩尾を辷り退いて、寝衣の衣紋崩れたる、雪の膚に蚊帳の色、残燈の灯に青く染まって、枕に乱れた鬢の毛も、寝汗にしとど濡れたれば、襟白粉も水の薫、身はただ、今しも藻屑の中を浮び出でたかの思がする。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
一つくぐって鳩尾から膝のあたりへずり下った、その扱帯の端を引上げざまに、燈を手にして、柳の腰を上へ引いてすらりと立ったが、小用に、と思い切った。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
羽二重の紅なるに、緋で渦巻を絞ったお千世のその長襦袢の絞が濃いので、乳の下、鳩尾、窪みに陰の映すあたり、鮮紅に血汐が染むように見えた――俎に出刃を控えて、潰島田の人形を取って据えたその話しの折のせいであろう。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 肩と鳩尾に手を懸けて後抱に引起す、腕を伝うて生暖きもの、たらたらたら。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
このふっくりした白いものは、南無三宝仰向けに倒れた女の胸、膨らむ乳房の真中あたり、鳩尾を、土足で蹈んでいようでないか。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
作例 · 標準
不安でみぞおちがキリキリと痛んだ。
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彼のパンチがみぞおちに入り、息ができなくなった。
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緊張のあまり、みぞおちの辺りが重く感じた。
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