芦刈り
あしかり
名詞
標準
文例 · 用例
「もうじき芦刈りが始まるだ」と船長は云った、「するとやがて鉄砲撃ちがやって来るだ、あれだきゃあうるさくってかなあねえだよ」 私は空が白みだしてから、私の「青べか」を漕いで帰った。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
いくさの噂さしげければ、 蘆刈びともいまさらに、暗き岩頸 風の雲、 天のけはひをうかゞひぬ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 五十篇』 青空文庫
楊の木4・26(夕) 摂津の大物が浦に片葉の蘆しか生きないといふ伝説は古い蘆刈の物語に載つてゐる。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
(2)(3)柳田國男著『海南小記』「蘆刈と竈神」というに詳しい。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
貉が唄を歌いますかの――こう云いながらも、媼はまたこれを、蘆刈りの男に話した。
— 芥川龍之介 『貉』 青空文庫
たとへば、大和物語に出た蘆刈りの件「釜神の事」の様なものである。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫
「蘆刈」の中で、長い別離のあとで、夫と妻とが再會するとき、二人の感動は、二人の息づかひを一瞬間ごつちやにしてしまふ、二箇の扇の顫動によつてのみ表現されるのである。
— 堀辰雄 『クロオデルの「能」』 青空文庫
かつて『大和物語』の蘆刈話の元の形かと考えてみた、近江由良の里の竈神の由来譚なども、袋中の大徳は是を事新らしく書き伝えたけれども、ちゃんとその前から沖縄の島々にも行われていたものが、もっと写実でありまた原産地の香が濃い。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫