雲山
うんざん
名詞
標準
文例 · 用例
府中の白雲山の庵室へ、佐助がお使者に立ったとやら。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
一月ほど前、彼が翠雲山中で大いに牛魔大王と戦ったときの姿は、いまだにはっきり眼底に残っている。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
「探幽雲山一軸代金一両二分、常信花鳥一軸代金三分。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
案内者は当然の順序として、まずわたしを白雲山の妙義神社に導きました。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
その頃の流行にかぶれて、大枚の金子を払つて出入りの道具屋から、雲山といふ肩衝の茶入を手に入れました。
— 薄田泣菫 『利休と遠州』 青空文庫
太閤様御秘蔵の北野肩衝も、徳川家御自慢の初花肩衝も、よもやこれに見勝るやうなことはあるまいと思ふにつけて、某はその頃の名高い茶博士から、何とか折紙つきの歎賞の言葉を得て、雲山の誉れとしたいものだと思つてゐました。
— 薄田泣菫 『利休と遠州』 青空文庫
茶がすんで、利休が席を退くと、その少し前からやつと気持の平静を取り返したらしい主人は、雲山の肩衝を手のひらに載せて、しばらくぢつと見とれてゐましたが、いきなりそれを炉の五徳に叩きつけました。
— 薄田泣菫 『利休と遠州』 青空文庫
二 雲山肩衝の破片を拾ひ集めた茶人の手で、間もなく茶会がまた催されました。
— 薄田泣菫 『利休と遠州』 青空文庫