継ぎ合わせ
つぎあわせ
名詞
標準
文例 · 用例
それに比べて見ると、そこらに立っている婦人の衣服の人工的色彩は、なんとなくこせこせした不調和な継ぎ合わせもののように見えた。
— 寺田寅彦 『写生紀行』 青空文庫
ただ困るのは、すでに在る案内記の内容をそのままにいいかげんに継ぎ合わせてこしらえたような案内記の多い事である。
— 寺田寅彦 『案内者』 青空文庫
彼等のあるものは、石油缶の底を継ぎ合わせた四角な鱗で蔽われている。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
想像と事実を継ぎ合わせる事に巧みな彼は、そうと確かめないうちに、てっきりそうときめてしまった。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
一尾は黒く、一尾は黄いろい鰍を取って、磨ぎすましたる刃物に何かの薬を塗って、胴切りにして互い違いに継ぎ合わせると、いずれも半身は黒く、半身は黄いろく、首尾その色を異にした二匹の魚は、もとの如くに水中を泳ぎ廻っていた。
— 輟耕録 『中国怪奇小説集』 青空文庫
この二人を継ぎ合わせる楔子はかの小鉄で、小鉄はダルトンの娘であるという事実が判った時にはわれわれも意外に思いました。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
半紙は幾きれにも引き裂いて丸めてあるので、その皺を伸ばして継ぎ合わせてみると、女の筆の走り書きで、書いては消し、消しては書き、どうも思うように書けないので、中途で引き裂いて紙屑籠へ押し込んでしまったらしい。
— 金の蝋燭 『半七捕物帳』 青空文庫
彼はよく紙を継ぎ合わせた幕の上に、三番叟の影を映して、烏帽子姿に鈴を振らせたり足を動かさせたりして喜こんだ。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫