追い付き
おいつき
名詞
標準
文例 · 用例
そんなことをしたって追い付きません。
— 宮沢賢治 『ビジテリアン大祭』 青空文庫
駅員の不機嫌顔甚だしきも官線はやはり官線だけの権力とか云うものあるべしと、かしこみて願い奉りようよう切符を頂戴して立ちいずれば吹き上ぐる朝嵐に藁帽飛んでぬかるみを走る事|数間、ようやく追い付きて取止めたれど泥にまみれてあまり立派ならぬ帽の更に見ばえを落したる重ね/\の失敗なり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
追い抜くには至らぬまでも、次のランナーが追い付きかけてきた以上、これまでは許された怠慢と不健全は自殺行為となる。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
※はよく走るので、なかなか追い付きません。
— 剪燈新話 『中国怪奇小説集』 青空文庫
馬を早めて引っ返して、ようようここで追い付き申した。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
そうして米国の国歌が済むと立ち上って表に出られましたから、私もあとから立って追い付きますと、嬢次様はグルリと曲馬場を廻って、厩の処へ行って、亜鉛の壁を飛び越して中に這入って、馬の顔を撫でながら錠剤にした薬をお遣りになりました。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
恋の念力必ず追い付き、右衛門様へ告げねばならぬ!
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
それから私が気転を利かしてある日お婆さんを先に立たして私は馬、二人の下僕は徒歩で出掛けましたが、彼らは荷を背負って居るのですから大分私より遅れ、私はとうとうお婆さんに追い付きまして共に話しつつ行きますとそのお婆さんは「あの二人の人たちはよほど後ですか」という。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫