鍋鶴
なべづる異読 ナベヅル
名詞
標準
hooded crane (Grus monacha)
文例 · 用例
二月の風の憎きかな、乱るる裾は手に取れど、髪も袂も鍋鶴の灰色したる心地して、砂の煙に羽羽たきぬ。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
鍋鶴やら水禽やら近くの泉で啼いている。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
計ろうておけ』吉良家往来 二羽の鍋鶴が、水のほとりで、汚れた翼をひろげていた。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
今、出入の骨董屋が、本阿弥の手紙を添えて置いて行った周文の軸を展げて、その画面へ、虫でも覗くように、眼鏡をかけて屈みこんでいた吉良上野介は、鍋鶴の羽音に、顔を上げて、不機嫌な皺を、白髪眉にひそめた。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
『小ぎたない鍋鶴めが、また水を濁して、燈籠やら、茶室の窓を汚し居る。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
従って、泥鰌も、明日からは、御不用である』『へ、……そんな急なんですか』『他の商人共へは、黙っておれ』『何で云うもんですか』『序に、その泥鰌を、お池の鍋鶴へやってくれんか。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
そして、『多仲、これで、あの鍋鶴を射てしまえ』 と、池の向う側に屈みこんでいる三羽の鍋鶴を、顎で指した。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
今、自身で射殺してしまおうと思うていたところなのだ』『今度、お引移りになる本所のお屋敷にも、かなり広い泉水があるそうですから、鶴も、それへ移せば仔細はございますまいが』『この鍋鶴は、縁喜がようない。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
作例 · 標準
シベリアから越冬のために飛来した鍋鶴の群れが、出水の空を優雅に舞っている。
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鍋鶴の頭頂部が少し赤いのは、成熟した個体の証なのだと教わった。
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朝靄の中で一本足で立つ鍋鶴の姿は、まるで一幅の絵画のような美しさだった。
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