暁月
ぎょうげつ
名詞
標準
文例 · 用例
そのつぎの夜もつぎの夜もおぼつかなくて、何時しか暁月夜の頃にもなれば、などかくばかり物はおもはする、いとつれなくもあるかなと憎くむ/\猶まつに弱らで一夜を待あかしゝに、ある暁のいとねぶうて、物もおぼえずしばし夢結ぶやうなりしが、耳もと近くその声あやまたず聞えぬ。
— 樋口一葉 『すゞろごと』 青空文庫
まだ朝に遠い暁月夜で、霧が一面に降っている中を簡単な狩衣姿で歩いて行く源氏は美しかった。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
早行 劉子※村鷄已報晨 村鶏已に晨を報じ、曉月漸無色 暁月漸く色無し。
— 河上肇 『閑人詩話』 青空文庫
それがきっかけとなって十二月に「暁月夜」をのせ、その稿料が入ったので、のどかな年越しをしたとかかれている。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
『都の花』には前の年に書いた「暁月夜」をのせただけであった。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
昔聞く暁月坊、国に死す承久の秋、今見る公が兄弟、真箇、古人の儔。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
明星やや潤み、暁月軽暈をおびて鑓に照る。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫
思ひかねた露の曉月の宵、忍びの狩にまぎらはし、垣根の外の立迷にも十度に一度も戀人の俤を見ず、なまじひに領主と云ふ絆の爲め、神に念ずるしるしもなく、只好き折あれと祈る許りを、測らず私部小室が噂を開き今は猛夫の心も消えて、地震に崩るゝ崖の土の如何に堰くべきすべやある。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫