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藩籍

はんせき
名詞
1
標準
文例 · 用例
或る日二人は相談して、藩籍を脱して京都に上ることにした。
森鴎外 津下四郎左衛門 青空文庫
孫はこれがために一旦藩籍を除かれた。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
弘化四年四月三十一日(卅日の誤か)藩籍を脱して(この時年卅六、七)四方に流寓し後|遂に上道郡|大多羅村の路傍に倒死せり。
正岡子規 墨汁一滴 青空文庫
藩籍からも除かれたそうだし、何か国禁でも犯したかのように、幕府の有司などは誤解していると、君からの手紙にあったので、せっかく日本へ帰ったところで、面白いことがないばかりか、冷遇されるだろうから、帰国しようと思っていないのさ。
国枝史郎 鴉片を喫む美少年 青空文庫
尤も藩籍奉還後、藩主が藩知事となられた上は、久松家はほんの或る役目を旧藩地に務めていらるるだけで藩地は既に旧来の如き領分ではなく、従って君臣の関係も既になくなっているのだが、領主がそのまま知事となっていられるので、それらの制度や事実が全く判っていなかったのである。
内藤鳴雪 鳴雪自叙伝 青空文庫
藩籍奉還の後、俄浪士の嘗めた辛酸は、激しかつた。
折口信夫 沖縄を憶ふ 青空文庫
この人は、中国浪人と称しているけれども、その藩籍俗姓のくわしいことは、まだわからない。
恐山の巻 大菩薩峠 青空文庫
藩籍にあって知行をいただいていては自由の行動が取れない、よし自由の行動が取れるにしても、その行動が藩主の身上に影響を及ぼすところをおそれて、好んで藩を脱して諸国を放浪して、大言壮語することを職としていた筋目の通る溢れ者が、当時の社会には充ち満ちておりました。
山科の巻 大菩薩峠 青空文庫