戊夜
ぼや
名詞
標準
fifth division of the night (approx. 3am to 5am)
文例 · 用例
雲が延びると、裾野のぼやけた緑は、水底に揺らめく青草の波になった。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
十間許り下流で釣つてゐる男の子の姿も、夕暗に輪廓がぼやけて来た。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
それで日の入りがぼやけた朱色に見え、日の出が褪めた桃色に見えるが、兎に角その交代して繰り返されて行くことが分かる。
— GREISE 『老人』 青空文庫
『十七‥‥‥』と、それに習つたお前の聲は、もうその時『ふうち‥‥‥』と呟いたやうに細く、ぼやけてゐた。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
そして、ふらふらしながら歩き續けてゐる内に現實的な意識は殆ど消えて、變にぼやけた頭の中に祖母や友達の顏が浮び上つたり、三四|日前にK館で見た活動寫眞の場面が走つたりした。
— 南部修太郎 『一兵卒と銃』 青空文庫
小豆島で汽船に乗って、甲板から、港を見かえすと、私には、港がぼやけていてよく分らなかった。
— 黒島傳治 『入営前後』 青空文庫
ひところはやった玄米パン売りの、メガフォーンを通して妙にぼやけた、聞くだけで咽喉の詰まるような、食欲を吹き飛ばすようなあのバナールな呼び声も、これは幸いにさっぱり聞かなくなってしまった。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
七味唐辛子を売り歩く男で、頭には高くとがった円錐形の帽子をかぶり、身にはまっかな唐人服をまとい、そうしてほとんど等身大の唐辛子の形をした張り抜きをひもで肩につるして小わきにかかえ、そうして「トーン、トーオン、トンガシノコ」と四拍子の簡単な旋律を少しぼやけた中空なバリトンで歌い歩くのがいた。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
作例 · 標準
戊夜の鐘の音が遠くから聞こえてくる頃、修行僧たちは一斉に起床して朝の勤行を始める。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
戊夜は空気が最も冷え込み、眠りも一段と深くなる時間帯だと言われている。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
彼は徹夜作業の末、戊夜にようやく原稿を書き上げ、安堵の溜息をついた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview