蜃人
蜃人
名詞
標準
文例 · 用例
すると白犬は、折から吹いて来た風に向って、しきりに鼻をひこつかせていましたが、たちまち身ぶるいを一つするが早いか、「わん、わん、御姉様の御姫様は、生駒山の洞穴に住んでいる食蜃人の虜になっています。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫
食蜃人と云うのは、昔|八岐の大蛇を飼っていた、途方もない悪者なのです。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫
生駒山の洞穴に住んでいる食蜃人の所へ飛んで行け。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫
しかし御姫様は、まだ御眼に涙をためながら、洞穴の奥の方をそっと指さして御見せになって、「それでもあすこには、私をさらって来た食蜃人が、さっきから御酒に酔って寝ています。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫
髪長彦はにっこりほほ笑んで、「高の知れた食蜃人なぞを、何でこの私が怖がりましょう。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫
この洞穴の奥にいる食蜃人を一噛みに噛み殺せ。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫
すると斑犬はすぐ牙をむき出して、雷のように唸りながら、まっしぐらに洞穴の中へとびこみましたが、たちまちの中にまた血だらけな食蜃人の首を啣えたまま、尾をふって外へ出て来ました。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫
私は食蜃人にいじめられていた、生駒山の駒姫です。
— 芥川龍之介 『犬と笛』 青空文庫