疑いを抱く
うたがいをいだく
表現動詞-五段-カ行
標準
to harbor suspicion
文例 · 用例
ブルジョア文学の一部が社会的動揺によって文学の独自性をも危くしかけている時期に、プロレタリア文学は人間の心に潜んでいる合則的なもの、合理的なものを愛する心、或は現代の生活に種々の疑いを抱くものの心に触れるその本質に依って存在を価値づけられて来ている。
— 宮本百合子 『今日の文学の鳥瞰図』 青空文庫
それでいて、西洋文明のうちでもいちばん悪い戦争の道具はこれをとりあげるようなはげしい気性をうちに持っているのです」という所謂民族性の解釈とを、自身疑いを抱くところもなく並列させているところである。
— 宮本百合子 『「揚子江」』 青空文庫
そこで私もそれらの疑いを抱く視線に見られると不快は不快でも何となく面白くひとつどうすることか図々しくこちらも逆に監視を続けてやろうという気になって来て困り出した。
— 横光利一 『機械』 青空文庫
」「潜める天才に就て疑いを抱く人はよもやあるまい。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
そうしてその絵巻物を欲しがる目的は……といったような漠然たる疑いを抱くようになったものらしいが、しかし、そんな疑いを抱いている気ぶりも見せないように気を付けていたので、流石のWも歯が立たなくなった。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
まったくわたしどものような医学に門外漢たる者が考えても、その疑いを抱くのは当然のことであります。
— 小酒井不木 『愚人の毒』 青空文庫
そんなことに無関係な朝子さえ、とっさにそんな事実はあるまいと思えず、漠然疑いを抱く。
— 宮本百合子 『一本の花』 青空文庫
二人の作家の二つの死をつなぐ四年の間に朝子は妻の境遇からぬけて、そのときは、いろんな題材でどうやら小説が楽に書けるということ、そしてそれなりに書いているということが果して芸術家としての存在を意味づけるに足ることなのだろうかという疑いを抱く心になっていたのであった。
— 宮本百合子 『おもかげ』 青空文庫
作例 · 標準
例句