蚊いぶし
かいぶし
名詞
標準
smoking out mosquitoes
文例 · 用例
母のお伊勢は小さい庭にむかった奥の縁側で蚊いぶしをしていると、台所で娘の声がきこえた。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
お作は何者かを咎めるような口ぶりで、「誰、そこから覗くのは誰」と云っているのが耳にはいったので、おそらく近所の若い者が戯ってでもいるのであろうと思いながら、お伊勢は蚊いぶしを煽いでいる団扇の手をやめて、台所の方を見かえると、うす暗いところに一人の女が立っている姿がぼんやりと浮かんで見えた。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
「庄太の奴め、そそくさして、蚊いぶしを忘れて出て行きゃあがった。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
更にそこらを捜しまわって、ようやく蚊いぶしの支度をしたところへ、一人の男がたずねて来た。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
したたかな、天狗め、とのぼせ上って、宵に蚊いぶしに遣った、杉ッ葉の燃残りを取って、一人、その月へ投げつけたものがありました。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
あとで私が蚊いぶしを才覚しながら、ぶつぶつ渋茶を煮立てますべい。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
「日が暮れたのに蚊いぶしを持って来やあがらねえ。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫
これだから流行らねえ筈だ」 むしゃくしゃ腹の幸次郎は無暗にぽんぽんと手を鳴らして、早く蚊いぶしをしろと呶鳴った。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫