蛮性
ばんせい
名詞
標準
文例 · 用例
長男にはそんな野蛮性が無い。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
自然の中には、生の逞しさと同時に野蛮性があります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
あの小さい小ぜりあひ、いがみあひ、絶望が生んだ蛮性。
— 平出修 『計画』 青空文庫
一代を震骸すべき重大犯罪事件の調書として、其数頁を繰つたものは、誰でも被告の自白なるものが、絶倫なる記憶力と放胆なる蛮性からでなければ、決して供述することの出来ない事実の供述から出来上つて居ることを看出し得たであらう。
— 平出修 『逆徒』 青空文庫
たとい人に見らるるの憂いがないにせよ、余儀なき事の勢いに迫ったにせよ、あまりに蛮性の露出である。
— 伊藤左千夫 『水害雑録』 青空文庫
あるいは鎌倉武士以来の関東武士の蛮性が、今なお自分の骨髄に遺伝してしかるものか。
— 伊藤左千夫 『水害雑録』 青空文庫
親を相手に趣味云々だなどゝ、――それは、たしかに野蛮性だ。
— 牧野信一 『素書』 青空文庫
今後二世紀が過て、或はそれより少い年月でもよいかもしれないが、吾々が今十六世紀の野蛮性に驚くように、人が十九世紀の野蛮性に驚くであろう時には、人は十九世紀に於てシェークスピアを発見しないが、しかしバイロンやジョルジュ・サンドを発見するだろう。
— 宮本百合子 『ベリンスキーの眼力』 青空文庫