手擦れ
てずれ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
wear from frequent handling
文例 · 用例
道具も永く使い馴らして手擦れのしたものには何だか人間の魂がはいっているような気がするものであるが、この羅宇屋の道具にも実際一つ一つに「個性」があったようである。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
その外坐舗一杯に敷詰めた毛団、衣紋竹に釣るした袷衣、柱の釘に懸けた手拭、いずれを見ても皆年数物、その証拠には手擦れていて古色|蒼然たり。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
主が特別の恩恵を垂れ給うたのですよ」 長い髯の男は手にしていた古い革表紙の手擦れた聖書を振って言った。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
ところどころに書入のしてある古く手擦れた革表紙の本だ。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
」 と塩野は塩野で一寸自分の手擦れて汚くなったイコンタを上げて眺めてみた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
乗客らは待合室へ降りてから、手擦れて木目だけ浮き上った粗末なテーブルに荷物を乗せ、一列に並ばせられた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
柱の手擦れた汚れや、砂壁の爪の痕跡など、それぞれ自分の身を包んでいた殻のように感じられ、加わる疲れのまま見降ろしている畳目が、無きに等しい軽やかなもの思いに似て見えた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
よく洗濯された、継ぎ剥ぎだらけの紺の上衣が、手擦れで光った厚い戸にかかり、電灯がかすかに風に揺れている。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
作例 · 標準
長年愛用した革財布には、使い込んだことによる手擦れが見られる。
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