鉢の子
はちのこ
名詞
標準
文例 · 用例
句集「鉢の子」がやつときた、うれしかつたが、うれしさといつしよに失望を感ぜずにはゐられなかつた、北朗兄にはすまないけれど、期待が大きかつたゞけそれだけ失望も大きかつた、装幀も組方も洗練が足りない、都会染みた田舎者!
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
やつと酒壺洞君から鉢の子到着、これは寄贈用として。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・こゝからがうちの山といふ木の芽 石に蝶が、晴れて風ふく □ 春風の鉢の子一つ┌厳陽尊者、一物不将来の時如何。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
いつぞやの鉄鉢の句訂正・霰、鉢の子の中の 冬村君新婚の祝句として・青葉に青葉が二つのかげ・竹の子の竹になつてならんでゐる・空は皐月の、一人ではない 五月廿四日今朝も早いも遅いもなかつた、ちつとも眠れなかつたのだから。
— 室積行乞 『行乞記』 青空文庫
鉢の子という題名は私の句集にふさわしいものであった。
— 種田山頭火 『『鉢の子』から『其中庵』まで』 青空文庫
春風よ、吹きだしてくれ、私は鉢の子一つに身心を托して出かけやう、へう/\として歩かなければ、ほんたうの山頭火ではないのだ!
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
風のなか酔うて寝てゐる一人・木の芽、いつもつながれてほえるほかない犬で・つながれて寝てゐる犬へころげる木の実・春風のはろかなるかな鉢の子を・からりと晴れたる旅の法衣の腰からげ 三月十三日折々降るが、ぬくいので何よりだ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
「鉢の子」には酒のやうな句(その醇不醇は別として)が多かつた。
— 種田山頭火 『草木塔』 青空文庫