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身も世もあらぬ

みもよもあらぬ
表現
1
標準
heartrending
文例 · 用例
由来、その点、身も世もあらぬ思ひもあらば、また何かの形で、歌となつて出ることもあるであらうといふ、はかない念願を抱懐することに終つてゐる。
〔私が貧乏で〕 青空文庫
如斯ことはきょう始めてと云うではないが見る度に胸がふさがるべくおぼえ何と云うて慰さめんようもなく身も世もあらぬ思である。
伊藤左千夫 根岸庵訪問の記 青空文庫
民子は身も世もあらぬさまでいきなりにお増の膝へすがりついて泣き泣き、「お増や、お母さんに申訣をしておくれ。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
この身とて、今は法師にて、鳥も魚も襲はねど、昔おもへば身も世もあらぬ
宮沢賢治 二十六夜 青空文庫
この身とて、今は法師にて、鳥も魚も襲わねど、昔おもえば身も世もあらぬ
宮沢賢治 二十六夜 青空文庫
私は、そんな貧乏画家か、ペンキ屋みたいな恰好して、今夜も銀座でお茶を飲んだのであるが、もし、この服装のままで故郷へ現われるものなら、家の人たちは、恥かしさに身も世もあらぬ思いをするであろう。
燭をともして昼を継がむ。 花燭 青空文庫
日頃慎ましくしていても、こんな場合の女はがらりと変ってしまうものかと、間の抜けた観察を下しながら、しかし私は身も世もあらぬ気持で、「結婚しようね、結婚しようね」と浅ましい声を出していた。
織田作之助 世相 青空文庫
省さんが一人の時分にはわたしに相手があり、わたしが一人になれば省さんに相手がある、今度ようやく二人がこうと思えば、すぐにわたしの縁談、わたしは身も世もあらぬ思い、生きた心はありません。
伊藤左千夫 春の潮 青空文庫