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菽麦

菽麦
名詞
1
標準
文例 · 用例
成程叔母は賢婦でも無い、烈女でもない、文三の感情、思想を忖度し得ないのも勿論の事では有るが、シカシ菽麦を弁ぜぬ程の痴女子でもなければ自家独得の識見をも保着している、論事矩をも保着している、処世の法をも保着している。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
都人士の菽麦を弁ぜざる事は往々この類である。
正岡子規 墨汁一滴 青空文庫
どうか菽麦すら弁ぜぬ程、愚昧にして下さいますな。
芥川龍之介 侏儒の言葉 青空文庫
低能とはいうけれども、菽麦を弁じないというわけではなく、お感じが鈍いというにとどまり、まだ知恵が出きらないのかも知れない、もう少し発達すれば人並みになるのだろう、まるっきり馬鹿扱いにはできないのだ。
弁信の巻 大菩薩峠 青空文庫
若い渋沢には、理財の才より、何の天分よりも、やはり若い血が勝っていたこととみえ、(――尊いかな紅顔の白骨、老いを馬骨にかぞえて菽麦に生きんよりは、死して青史の花と散らん) そういう辞句に多分な生き甲斐を見出していたことは、露八の弟、土肥八十三郎と同じだった。
吉川英治 松のや露八 青空文庫