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村医

そんい
名詞
1
標準
文例 · 用例
大阪辺の町医村医は口だけは聞き覚えた東洞が唱道の「万病一毒」といふモツトーを喋舌るが、実技は在来の世間医だつた。
岡本かの子 上田秋成の晩年 青空文庫
」 栗栖は福井の産まれで、父も郡部で開業しており、山や田地もあって、裕福な村医なのだが、その先代の昔は緒方洪庵の塾に学んだこともある関係から、橋本左内の書翰などももっていた。
徳田秋声 縮図 青空文庫
不断薄情に仕向けているだけに、容体ただならずと見てお神もあわて、さっそく電話で係りつけの医師を呼び、梅村医師が時を移さず駈けつけて来たところで、診察の結果、それが急性の悪性肺炎とわかり、にわかに騒ぎ出した。
徳田秋声 縮図 青空文庫
十二 食塩やカンフルの注射の反応が初めて現われ、銀子はようやく一週間の昏睡状態から醒めかけ、何かひそひそ私語き合う人の声が耳に伝わり、仄かな光の世界へ蘇ったと思うと、そこに見知らぬ老翁の恐い顔が見え、傍に白衣の看護婦や梅村医師、父やお神も顔を並べているのに気がつき、これが臨終なのかとも思われた。
徳田秋声 縮図 青空文庫
濛靄のかかったような銀子の目には、誰の顔もはっきりとは見えず、全身|薔薇の花だらけの梅村医師の顔だけが大写しに写し出されていた。
徳田秋声 縮図 青空文庫
やがて彼女の死期が迫り、梅村医師がはっきり予言した通り、月の十三日に短いその生涯に終りが来た。
徳田秋声 縮図 青空文庫
赤坊が死んでから村医は巡査に伴れられて漸くやって来た。
有島武郎 カインの末裔 青空文庫
山脇、堀、田中三氏の子が相踵いで逐はれた後に、当時籍を瑞仙の門人中に列してゐた上野国|上久方村医師村岡善左衛門|常信倅善次郎が養子にせられた。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫