山鴫
やましぎ
名詞
標準
文例 · 用例
これは書物で読んだことだが、樫鳥や山鳩や山鴫のような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに、決して一枚の木の葉にも翼を触れるような事はない。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
これは書物で読んだことだが、樫鳥や山鳩や山鴫のような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに、決して一枚の木の葉にも翼を触れるような事はない、これは鳥の目の調節の速さと、その視覚に応じて反射的に行なわれる羽翼の筋肉の機制の敏活を物語るものである。
— 寺田寅彦 『からすうりの花と蛾』 青空文庫
二年ぶりにヤスナヤ・ポリヤナを訪れた Ivan Turgenyef は主の Tolstoi 伯爵と一しよに、ヴアロンカ川の向うの雑木林へ、山鴫を打ちに出かけて行つた。
— 芥川龍之介 『山鴫』 青空文庫
さうしてトルストイの射止めたのは、山鴫だと云ふ報告をした。
— 芥川龍之介 『山鴫』 青空文庫
」 イリアは又母の方を向くと、健康さうな頬を火照らせながら、その山鴫が見つかつた時の一部始終を話して聞かせた。
— 芥川龍之介 『山鴫』 青空文庫
」――急に向うの草の中から、紛れやうのない啼き声と共に、一羽の山鴫が舞上つた。
— 芥川龍之介 『山鴫』 青空文庫
山鴫は枝垂れた木々の間に、薄白い羽裏を閃かせながら、すぐに宵暗へ消えようとする、――トウルゲネフはその瞬間、銃を肩に当てるが早いか、器用にぐいと引き金を引いた。
— 芥川龍之介 『山鴫』 青空文庫
が、いくら探して見ても、山鴫の屍骸は見つからなかつた。
— 芥川龍之介 『山鴫』 青空文庫