御籤
みくじ
名詞
標準
文例 · 用例
結局、大ようにたかを括りながら、気取ったニヒリストにもならず、安易なエピキュリアンにもならずお御籤の筒のように自分の中に在る何物にまれ、掴まれて振り動かされ、偶然の穴の口から出る卦を必然のものとして次に動こうと待ち構えているだけでございます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
「正面の、左右の聯の偈を……失礼ながら、嬉しい、御籤にして、思の矢の的に、線香のたなびく煙を、中の唯|一条、その人の来る道と、じっと、時雨にも濡れず白くほろほろとこぼれるまで待ちましたが、すれ違い押合う女連にも、ただ袖の寒くなりますばかり。
— 泉鏡花 『菊あわせ』 青空文庫
磯野との縁が切れそうになった時も、わざわざ水天宮で御籤を引いた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
お銀は惑わしいことがあると、よく御籤を取りに行く近間の稲荷へ出かけて行った。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
拭くのも張合いのないその抽斗の底には、どうなるか解らなかった母子の身の上を幾度となく占った古い御籤などが、いまだに収ってあった。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
けれども敬太郎にはこの御籤めいた言葉がさほどの意義を齎さなかった。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
こうして、御籤を引くように、ぱっと開けて、開いた所を、漫然と読んでるのが面白いんです」「なるほど面白そうね。
— 夏目漱石 『草枕』 青空文庫
まるで御籤みたような文句である。
— 夏目漱石 『満韓ところどころ』 青空文庫