焼かす
やかす
動詞
標準
文例 · 用例
激昂の反動は太く渠をして落胆せしめて、お通は張もなく崩折れつつ、といきをつきて、悲しげに、「老夫や、世話を焼かすねえ。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
――妻に世話を焼かす運命が手筋に出てはいませんか」 ガルスワーシーの座興的なうけ答えのように一見其の場の光景はやはりちょっとした座興的なもののようには違いないが然し景子には笑えなかった。
— 岡本かの子 『ガルスワーシーの家』 青空文庫
この忙しいのにどんなに世話を焼かすか知れぬと頭ごなし。
— 寺田寅彦 『高知がえり』 青空文庫
何んなに眠いときでも、蓮見がおこすと、渋くりながらも便所へも立つのであつたが、圭子では世話を焼かすばかりであつた。
— 徳田秋声 『チビの魂』 青空文庫
「ねえ、支倉君、世話を焼かすじゃないか。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫
これというのも、みんなこのコーリャがわからずやだからです、世話ばかり焼かすからです!
— フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー 『罪と罰』 青空文庫
いい加減に、友達に世話を焼かすなよ」 その言葉には、義平太も、いッぺんに顔じゅうを涙にしてしまった。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
どんなに、手を焼かすかと思いのほか、ひとたび、父越前守に会わせてやるというたッた一つの希望を与えただけで、その日から、まったく、素直な、純情な、そして善を楽しむよい娘になってしまった。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫