綾羅
りょうら
名詞
標準
elaborated cloth
文例 · 用例
と例の被を取除くれば、この人形は左の手にて小褄を掻取り、右の手を上へ差伸べて被を支うるものにして、上げたる手にて飜る、綾羅の袖の八口と、〆めたる錦の帯との間に、人一人肩をすぼむれば這入らるべき透間あり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
深窓の美姫、紅閨の艶姐、綾羅錦繍の袂を揃えて、一種異様の勧工場、六六館の婦人慈善会は冬枯に時ならぬ梅桜桃李の花を咲かせて、暗香堂に馥郁たり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
武者ぶり着いて、これを詰るに、妻、綾羅にだも堪へざる状して、些とも知らずと云ふ。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
でも、こゝには、金銀如山、綾羅、錦繍、嘉肴、珍菓、あり餘つて、尚ほ、足りないものは、お使者の鬼が手を敲くと整へるんです、それに不足はありません。
— 泉鏡太郎 『みつ柏』 青空文庫
賤が伏せ屋の見すぼらしい母子が只の人でないと眼をつけられ、綾羅錦繍の裡に侍ずかるる貴婦人がお里を怪しまるるそもそもの理由も、亦ここにあるのではありますまいか。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
ただ手足と、顔と、綾羅錦繍と、三味線と冷酒と踊とのみあって存する、あわれな孤児をどうするんです、ねえ君、そこは男子の意地だ。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
項羽のさしもに美しかつた綾羅も、ぼろぼろに千切れて汗と埃とに染まつて居た。
— 牧野信一 『悲しき項羽』 青空文庫
眇たる丸善の損害は何程でもなかろうが、其肆頭の書籍は世間の虚栄を増長せしむる錦繍|綾羅と違って、皆有用なる知識の糧、霊魂の糧である。
— 内田魯庵 『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 青空文庫
作例 · 標準
古代の貴族たちは、美しい刺繍が施された綾羅の衣を身にまとい、優雅な宴を楽しんでいた。
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遣唐使が持ち帰った目も眩むような綾羅錦繍は、当時の都の人々を大いに驚かせたに違いない。
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正倉院には、千年以上前のものとは思えないほど鮮やかな綾羅の布片が大切に保存されている。
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