状景
じょうけい
名詞
標準
文例 · 用例
士官の立場から物を見て書いたのでも、トルストイの「セバストポール」は、はるかに、清新に、戦争と状景が躍動して、恐ろしく深く印象に刻みつけられる。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
しかし、出てくる軍人も戦争の状景も、通俗小説のそれで、ひどく真実味に乏しい。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
実にこれは著者の心象中にこの様な状景をもつて実在したドリームランドとしての日本岩手県である。
— 宮沢賢治 『『注文の多い料理店』広告文』 青空文庫
じつにこれは著者の心象中に、このような状景をもって実在したドリームランドとしての日本岩手県である。
— 宮沢賢治 『『注文の多い料理店』新刊案内』 青空文庫
」 さういふ小森の目に、T子と栄子とが相逢つて話してゐる状景が、幻のやうに浮んで来た。
— 徳田秋聲 『女流作家』 青空文庫
」 杉田はその頃のことを想ひ起すと同時に、清新で可憐な作中の人物や状景が歴々浮き出して来た。
— 徳田秋聲 『草いきれ』 青空文庫
」「区役所のお役人よ――衣物など拵えて、待っているの」 僕は隣室の状景を想像する心持ちよりも、むしろこの一言にむかッとした。
— 岩野泡鳴 『耽溺』 青空文庫
そして、思ひがけぬ一つの状景を発見した時に、進まうとする足を急いでひかへる必要を感じたのだつた。
— 松永延造 『アリア人の孤独』 青空文庫