手子摺る
てこずる
動詞
標準
文例 · 用例
S島がナポレオンの存在に困るからとて、T島にやつたのでは、同じ樣な無氣力者の寄合に違ひないT島でも矢張この少年に手古摺るに違ひない。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
S島がナポレオンの存在に困るからとて、T島にやったのでは、同じような無気力者の寄合に違いないT島でもやはりこの少年に手古摺るに違いない。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
そいつが四尺近くもあろうかと思われる長い髪を色々な日本髪に結うのじゃそうなが、髪結いの手にかけると髪毛が余って手古摺るのでヤハリ自分で結うらしい」「してみると入浴の一時間は長くないですな。
— 夢野久作 『二重心臓』 青空文庫
どうも気に食わぬ女を抱いたものだと思ったら、帰り途にさえこんなに手古摺るわいと彼は愚痴るのだった。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
ガラス絵として、都合のいいモティフに出会ったとすると、それを充分正確に写生することです、そしてそれへ、覚えの色だけを塗って置くのです、色彩の記憶さえ確かなら、鉛筆の素描だけでもいいのですが、なるべく色彩も施して置く方が、絵の調子を破らず、楽くに仕上げる事が出来ます、手古摺る事が少ないのです。
— 小出楢重 『楢重雑筆』 青空文庫
手古摺る事が少ないのです。
— 小出楢重 『油絵新技法』 青空文庫
どう云うものか、 武藤泰子さんから来信、妙に抱き込んだような調子で、段々私が好きになって来た、手古摺るほど行くかもしれない、などと云って来る。
— 一九二三年(大正十二年) 『日記』 青空文庫
そこで普通の意味を考ふれば、物的現象は巨視的には林檎の落ちるに氣が附く如く、馬鹿も知ることが出來るが、微視的には眼にも見えぬ小さいくせに、因果法何物ぞと空嘯く怪物が目の前に群集するを認めざるを得ざる如く、釋迦も手古摺る難物である。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫