錚
錚
名詞
標準
文例 · 用例
真樹は佗田真樹で、国香の属僚中の錚※たるものである。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
尤も当時のロシアは、其の社会状態が小バイロンを盛んに生んだ時代で、殊にジュコーフスキーの如きは、鉄中錚々たるものであったから、求めずしてバイロンの詩想と合致するを得て、大に成功したのかも知れぬが、兎に角其の訳文は立派なロシア文となっている。
— 二葉亭四迷 『余が翻訳の標準』 青空文庫
今度の展覧会をみたが、堂々たるもので、龍子、関雪、翠雲、大観の錚々たるところを筆頭に大体に於て画壇で社会的地位を代表した画家を並べ、またどういふ縁故関係かおそろしく無名な画家も四、五を添へ先づ見た眼は相当な粒揃ひであつた。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
それからあのう、三上が学生時代に発表した『Petrin 堆積説』も、折竹さんはご存知でございましょう」 三上重四郎は、いわゆる二世中の錚々たるもの。
— 水棲人 『人外魔境』 青空文庫
その心理を、後世裁判精神病理学の錚々たる連中が何故引用しないのだろうと、僕はすこぶる不審に思っているくらいなんだよ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
此の語の真偽はとにかく、戦略上の要点を見付けるのに天才的な秀吉と、錚々たる土木家である増田長盛や、長束正家なんかが共同でやった仕事だから、姑息な小田原城の将士の度肝を抜くことなんか、易々たるものだったと思う。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
宮部は肥後の産、吉田松陰とは親友の仲であり、尊攘派の錚々たる一人で、同志からは先輩の一人として推服された人物である。
— 池田屋襲撃 『大衆維新史読本』 青空文庫
何しろ蔵前の札差で山長と云えば、今で云うと、政府の御用商人で二三百万円の財産を擁しておろうと云う、錚々たる実業家に当る位置ですから、その一人娘の――尤も男の子は二人あったそうです。
— 菊池寛 『ある恋の話』 青空文庫