躄り寄る
いざりよる
動詞
標準
文例 · 用例
」 低声なので、私もそっといざりよると、「随分ひどいのよ、階下の奥さんてば外の男と酒を呑んでるのよ……」「いいじゃないの、お客さんかも知れないじゃないですか。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
」 向うから底声なので、私もそっといざりよると、「随分ひどいのよ、下の奥さん外の男と酒呑んでるのよ……。
— 林芙美子 『放浪記(初出)』 青空文庫
牛のごとく吼ゆるもの、 図体の憎々しく大きく、群獣をぬいて高く怒号するもの、 うそぶき、笑い、闊歩するもの、 孱弱く疲れていざり寄るもの、 ごろりと仰向きに臥ている牡、右の前|鰭で、はたりはたりと煽いでいるもの、(暑いんだな、あいつ鰭を団扇にしているんだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
新子も、反感めいた気持で、空っぽの寝床に背を向けて、今夜は美和子の帰らない内に、どうでも寝つこうとし、寝つくために、何か下らない古雑誌でも読もうと、床を這い出して、机の前にいざり寄ると、階下からしのびやかに、母が上って来る足音がした。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
(盛遠、自分の刀を後へ投げ捨て、渡の前にいざり寄る!
— 菊池寛 『袈裟の良人』 青空文庫
」と新五郎は老眼を数瞬きながらいざり寄る。
— 小栗風葉 『深川女房』 青空文庫
「如来衛門殿、お進みなされ」「は」と初めていざり寄る。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫