奔
奔
名詞
標準
文例 · 用例
汝は電線を渡りてその愛人の陰部に沒入に及ばんとし、反撥され、而して狂奔する。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
実際、当時の彼の詩は、青春の感情の奔蹤を極めたものであつた。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
彼の詩を読むものは、何びともあの天才的奔蹤を思はせる未曾有のリズムと、その何物にも捉はれない嬰児のやうなナイーヴな感情とに、絶大な驚異を感ぜずには居られないであらう。
— 愛の詩集の終りに 『愛の詩集』 青空文庫
むしろディオニソス的なる、奔放不羈の自由を欲求してゐた。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
遥に北へ行くと、白馬岳が聳えている、雪の室は花の色の鮮やかな高山植物を秘めて、千島|桔梗、千島|甘菜、得撫草、色丹草など、帝国極北の地に生える美しいのが、錦の如く咲くのもこの山で、雪が白馬の奔る形をあらわすからその名を得たということである。
— 小島烏水 『梓川の上流』 青空文庫
名も歴史もない甲州アルプスに、対面して、零落の壮大、そのものが、この万年の墳墓を中心にして今虚空を奔る。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
黒潮|奔れる太平洋の海風を受けて、しかもラスキンのいわゆる、アルプスの魔女が紡げる、千古の糸にも似た雪の白い山!
— 小島烏水 『雪の白峰』 青空文庫
その上、何かしら、彼等はドヤドヤッと、無遠慮に乗りこんで来て、大胆に奔放に自然に手を入れて、そいつを変形させ、人工的な力学的な美を創造する、土方というものに、一種の反感に似た気持を抱いていたのである。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫