声なき声
こえなきこえ
表現名詞
標準
unvoiced opinion
文例 · 用例
形ありて形なく、色ありて現なく、匂あつて捉へるところなき声なき声を、さながら心の声としてゐる。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
病院というところは、誰れが熱を出した、誰れが血痰したというような細事をまで声なき声のように疾風迅雷的に耳から耳に伝わるものであった。
— 鷹野つぎ 『草藪』 青空文庫
心耳をすませばこそ、声なき声が聞こえるのです。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
耳はまた、しーんとして夜の静寂を貫き流れる声なき声に聴き入ろうとしていた。
— 原民喜 『忘れがたみ』 青空文庫
が、そこには初期の作品に見られたようなややありふれた観念の象徴はなくて、同じ底深い画面の黒さにしろ、ケーテはその暗さの中に声なき声、目ざまされるべき明るさの大きさ、集団の質量の重さを感得している。
— 宮本百合子 『ケーテ・コルヴィッツの画業』 青空文庫
」声なき声は「西京なり」、「古式に則り、その門前にて死ぬべし」と言う。
— 一つの追憶 『勇子』 青空文庫
土は声なき声上げて男に言った―― 待てよ、お前も踏まれるのさ!
— RUBA'IYAT 『ルバイヤート』 青空文庫
惻々として迫る声なき声を自分は感ずる。
— 一九二九年(昭和四年) 『日記』 青空文庫
作例 · 標準
SNSの普及により、これまで埋もれていた声なき声が社会を動かす力を持つようになった。
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政治家は、大きなデモの背後にある、沈黙を守る大勢の声なき声に耳を傾けるべきだ。
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この映画は、戦火の中で散っていった名もなき兵士たちの声なき声を代弁している。
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