致知
ちち
名詞
標準
文例 · 用例
科学は孔子のいわゆる「格物」の学であって「致知」の一部に過ぎない。
— 寺田寅彦 『科学者とあたま』 青空文庫
「風雅の誠をせめよ」というは、私を去った止水明鏡の心をもって物の実相本情に観入し、松のことは松に、竹のことは竹に聞いて、いわゆる格物致知の認識の大道から自然に誠意正心の門に入ることをすすめたものとも見られるのである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
『大学』の道はただこれ三綱領(明明徳、親民、止於至善)八条目(格物、致知、誠意、正心、修身、斉家、治国、平天下)に止まる。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
「大とは何か知ってるか」「知らないね」「大とはそれより外がないということだよ」「では小とはそれより内がないと言うことだね」「うん、そう、そう」 友はうなずいて、それから陽明学の格物致知の説を熱心に説いた。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
津田真道が「開化を進る方法を論ず」、加藤弘之「国体新論」、西周は「知説」のほかに「致知啓蒙」、福沢諭吉は「文明論の概略」、祖父は明治八年に「泰西史鑑」というものを独・物的爾著から重訳して出している。
— 宮本百合子 『繻珍のズボン』 青空文庫
大學の補傳は易の字を取りて格物致知の義を説きたりと雖へども、宋儒の理の字の定義は是にて分明なり。
— 西周 『尚白箚記』 青空文庫
そういう傾向の総括として儒教の大成者朱熹(1130―1200)は格物致知を力説している。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫
しかしその格物致知の精神にも拘らず、東亜の世界には西欧の近代科学の如きものは起らなかった。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫