御宅
おたく
代名詞
標準
文例 · 用例
中村氏が田中舘先生の御宅へ、最初のスケッチをしに来られた時には、自分も中村先生と一緒に見に行った。
— 寺田寅彦 『中村彝氏の追憶』 青空文庫
」「いいえ、実は……」 といささか取附くことが出来た……「先刻、御宅へ伺いましたのですが、御留守でございましたから、後程にまた参りましょうと存じまして、その間この辺にぶらついておりました。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」「ええ、そう…………」「で、貴娘の御宅に置いて、修業をおさせなすったそうだが、一体あれの幾歳ぐらいの時からですか。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
真砂町の御宅へも、この事に附いて、刑事が出向いたそうだが、そりゃ憚って新聞にも書かず、御両親も貴娘には聞かせんだろう。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
平時だと御宅へ上るんだけれど、今日の慈善会には、御都合で貴女も出掛けると云うから、珍らしくはないが、また浅間へ行って、豆か麩を食わしとるですかな。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
貞造と申して、以前御宅の馬丁をしたもので、……夫人、貴女の、実の……御父上……」 三十三「その……手紙を御覧なさいましたら、もうお疑はありますまい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
それは貴女の御父上、英臣さんが、御出征中、貴女の母様が御宅の馬丁貞造と……」 早瀬はちょっと言を切って……夫人がその時、わななきつつ持つ手を落して、膝の上に飜然と一葉、半紙に書いた女文字。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
容態が容態ですから、どうぞ息のある内にと心配をしていたんですが、人に相談の出来る事じゃなし、御宅へ参ってお話をしようにも、こりゃ貴女と対向いでなくっては出来ますまい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫