左顧
さこ
名詞
標準
文例 · 用例
その隙間は氏が熱情的な理想家のやうに見え乍ら、その底に於ては理智が働き過ぎるといふ結果から、周圍に對してどうしても左顧右眄せずには居られないといふところがあるかも知れません。
— 南部修太郎 『三作家に就ての感想』 青空文庫
どうせ、私には名文も美文も書けやしないのだから、くどくどと未練がましい申しわけを言うのはもうやめて、ただ「辞ハ達スル而已矣」という事だけを心掛けて、左顧も右眄もせずに書いて行けばいいのであろう。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
あの同胞の表情を見た以上は、もう左顧も右眄もして居られません。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
だが、すでにこの道に入った以上、左顧右眄すべきではない。
— 岡本かの子 『巴里のむす子へ』 青空文庫
船橋の船長は右顧左顧、頻りに心安からず見えた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
ぎごちない身を人々のなかにおいて、時に左顧右眄することはあつても、たじろぐ氣持はなかつた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
伯父の一つの道への盲信を憐れむ(あるいは羨む)ことは、同時に自らの左顧右眄的な生き方を表白することになるではないか。
— 中島敦 『斗南先生』 青空文庫
この男は左顧右眄することをなさない。
— 森鴎外 『空車』 青空文庫