板面
はんめん
名詞
標準
文例 · 用例
毎日々々年配の朋輩と根がらを打ったり、独楽を打ったり、いたずらという板面を仕抜いていた。
— 伊藤左千夫 『井戸』 青空文庫
朦朧とした写真の乾板色の意識の板面に、真佐子の白い顔が大きく煙る眼だけをつけてぽっかり現れたり、金魚の鰭だけが嬌艶な黒斑を振り乱して宙に舞ったり、秀江の肉体の一部が嗜味をそそる食品のように、なまなましく見えたりした。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
菓子か何か持って出てきた岡村は、「近頃君も煙草をやるのか、君は煙草をやらぬ様に思っていた」「ウンやるんじゃない板面なのさ。
— 伊藤左千夫 『浜菊』 青空文庫
そこらの子供と遊び暮した板面者がまた一人門から駈け込んだ。
— 長塚節 『教師』 青空文庫
二個の曲玉にも似ておれば、星雲のより塊ったものにも見え、先日さがし当てた古本版の中の、言霊の亀板面に顕れた音波の原形図とも等しかった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
濠の底で電車の黒い屋根が二つ擦れ違いざまに流れているのを眼で追いつつ、矢代はそれも亀板面に顕れた二つ巴の周囲を円廻する光の波の函数の図と同様に見え、面白かった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
そして、それがとりも直さず、言霊亀板面に顕れた倍数に拡がる音波の函数図形の原形と同じだと云うことも、彼には驚くべきことだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
しかし円板物質のために侵入体の軌道はわずかしか変化しないから、その結果として軌道は甚だしく離心的となり、また軌道面の板面に対する傾斜角もいろいろ勝手になり得るわけである。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫