盞
さん
名詞
標準
文例 · 用例
四日、己亥、晴、将軍家聊か御病悩、諸人奔走す、但し殊なる御事無し、是若し去夜御淵酔の余気か、爰に葉上僧正御加持に候するの処、此事を聞き、良薬と称して、本寺より茶一盞を召進ず、而して一巻の書を相副へ、之を献ぜしむ、茶徳を誉むる所の書なり、将軍家御感悦に及ぶと云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
妾達はショコラ酒を飲んで、金盞花の花と共に寝床に埋れました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
大人は、自分には二度まで夫人を殺しただけ、盞の数の三々九度、三度の松風、ささんざの二十七度で、婚姻の事には馴れてござる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
たちまち闥開けて、三人の侍女、二罎の酒と、白金の皿に一対の玉盞を捧げて出づ。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
女房盞を取って、公子と美女の前に置く。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
公子 (品よく盞を含みながら)貴女、少しも辛うない。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
公子 (玉盞を含みつつ悠然として)故郷はどうでした。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
(手首を取って刃を腕に引く、一線の紅血、玉盞に滴る。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫