謔
謔
名詞
標準
文例 · 用例
利根の松原日曜日の晝わが愉快なる諧謔は草にあふれたり。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
何よりもその證據は、子供たちの悦ぶ映畫が、常に忍術使ひの出るチヤンバラ劇と、奇々怪々の夢に充ちた漫畫映畫と、ポンチ的諧謔のチヤツプリンとに限られてゐる。
— 萩原朔太郎 『童話と教育について』 青空文庫
稀に彼の口から洩れる辛辣な諧謔は明らかにそれを語るものである。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
快活、憂鬱、謹厳、戯謔さまざまの心持が簡単な線の配合によって一幅の絵の中に自由に現われていると思うのである。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
」 と今の諧謔にやや怒気を含んで、「私が対手じゃ、立処に解決してやる!
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
そこで女が、そのとおりだと言えば、人殺しは出刃打ちじゃなくって、ほかにあるとなるのだ」 甲者は頬杖※きたりし面を外して、弁者の前に差し寄せつつ、「へえへえ、そうして女はなんと申しました」「ぜひおまえさんに逢いたいと言ったね」 思いも寄らぬ弁者の好謔は、大いに一場の笑いを博せり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
―― その重さこそ常づね尋ねあぐんでいたもので、疑いもなくこの重さはすべての善いものすべての美しいものを重量に換算して来た重さであるとか、思いあがった諧謔心からそんな馬鹿げたことを考えてみたり――なにがさて私は幸福だったのだ。
— 梶井基次郎 『檸檬』 青空文庫
―― その重さこそ常々私が尋ねあぐんでゐたもので、疑ひもなくこの重さは總ての善いもの總ての美しいものを重量に換算して來た重さであるとか、思ひあがつた諧謔心からそんな馬鹿げたことを考えて見たり――何がさて私は幸福だつたのだ。
— 梶井基次郎 『檸檬』 青空文庫