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打通

だつう
名詞
1
標準
文例 · 用例
が急に一面の燒野原が左に開けて、永代あたりまで打通しかと思はれた處がある。
泉鏡太郎 深川淺景 青空文庫
八時間|打通しの労働で、一日に勘定出来る高は、銀貨で三万二千弗になる。
大正六(一九一七)年 茶話 青空文庫
『浮雲』時代の日記に、「常に馴れたる近隣の飼犬のこの頃は余を見ても尾を振りもせず跟をも追はず、その傍を打通れば鼻つらをさしのべて臭ひを嗅ぐのみにて余所を向く、この頃はにだも不自由をして懐いた犬に背かれたのを心淋しく感じたのであろう。
内田魯庵 二葉亭余談 青空文庫
『新薄雪物語』の三人笑いやテボの正宗その他を打通しの出し物で、とにかく久しぶりの上方芝居だから面白く見て、二度までも行った。
内藤鳴雪 鳴雪自叙伝 青空文庫
せめて二三日も井出君に殘つて貰はうかとも思つたが、やはり全然一人になる方がいゝと思つて、明日から永い間續くであらう幽閉の日々を、このがらんとした十疊八疊打通しの暗い室で、謹愼して送らねばならないと、覺悟を極めた。
葛西善藏 不良兒 青空文庫
松陰神社の入口から世田ヶ谷の上宿下宿を打通して、約一里の間は、両側にずらり並んで、農家日用の新しい品々は素より、東京中の煤掃きの塵箱を此処へ打ち明けた様なあらゆる襤褸やガラクタをずらりと並べて、売る者も売る、買う者も買う、と唯驚かるゝばかりである。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
駒井甚三郎は、さのみ悲しむ色もなく打通って、「勉強しているな」「はい、おかげをもちまして」 一学は何ともつかず返事をして、取って置きの敷革を出して主人にすすめる。
白骨の巻 大菩薩峠 青空文庫
「そこを、ずっと突き当って行くと開き戸がある、そこが風呂場だ」 神尾が口で案内すると、女は心得たもので、ずっと教えられた通りに打通り、やがて帯を解く音。
白骨の巻 大菩薩峠 青空文庫