海を渡る
うみをわたる
表現動詞-五段-ラ行
標準
to cross the ocean (i.e. to go to or come from overseas)
文例 · 用例
古代埃及人は、地球の裏には魔者の住んでゐる暗黒の大海があつて、太陽は東から西へと一日の行程が終ると、この地球の裏の魔海を夜間舟で渡つて、翌朝までにまた元の東に帰るのだと信じてゐたといふから察するに星も亦太陽と同様に、舟で暗黒の海を渡ると考へられたのかも知れない。
— 岡本かの子 『星』 青空文庫
瞬く間には、山をおおい、 うち見るひまにも、海を渡る、 雲ちょうものこそ、奇すしくありけれ、 雲よ、雲よ、 雨とも霧とも、見るまに変りて、 あやしく奇しきは、 雲よ、雲よ、 私は、ひとりで、噴き出した。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
しかし海を渡るときに、けっしてこわい思いをおさせ申してはならないぞ」とよく言い聞かせた上、その首のところへ命をお乗せ申して、はるばるとお送り申して行かせました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
西諺に、空を飛ぶ鷲と、岩を這ふ蛇と、大海を渡る船と、男が入れた此四つの跡は知れ難いとは十分の道理あり(Mouchot,‘Dictionnaire de l'Amour,’ Troyes, 1811, p. 21)。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫
九 蓬莱橋は早や見える、折から月に薄雲がかかったので、野も川も、船頭と船とを淡く残して一面に白み渡った、水の色は殊にやや濁を帯びたが、果もなく洋々として大河のごとく、七兵衛はさながら棲息して呼吸するもののない、月世界の海を渡るに斉しい。
— 泉鏡花 『葛飾砂子』 青空文庫
溝川を渡ることも出来ないのに、江海を渡ることが出来ると言っても、誰がこれを信じよう。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
舟の櫂を借りる者は、水が得意になる訳ではない、しかしながら江海を渡ることができる。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
誰か能く駛い流れを渡る、誰か能く大海を渡る、誰か能く諸苦を捨つる、誰か能く清浄を得るぞと。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
作例 · 標準
例句