懸
懸
名詞
標準
文例 · 用例
どこへ持っていったと畳懸けて呶鳴りつけられる。
— 伊藤左千夫 『井戸』 青空文庫
それですから、私は一生懸命になってたしなんで居るんでさ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
龍麿は宣長の研究から導かれて、古典における実例を一生懸命に調べて、はじめてそんな使いわけがあることがわかったのであります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
こまかき雨ははら/\と音して草村がくれ鳴こほろぎのふしをも乱さず、風|一しきり颯と降くるは、あの葉にばかり懸るかといたまし。
— 樋口一葉 『あきあはせ』 青空文庫
意味としての「いき」の把握は、後者を前者の上に基礎附け、同時に全体の構造を会得する可能性に懸っている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
そうして、手が「いき」の表現となり得る可能性も畢竟この一点に懸っている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
或いは更に二元性を強調して、一部分には平天井を用い、他の部分には懸込天井を用いる。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
そうしてこの場合に、かような楽曲が「いき」の表現であり得る可能性は、一方に各節の起首の高音が先行の低音に対して顕著な色っぽい二元性を示していることと、他方に各節とも下向的進行によって漸消状態のさびしさをもっていることとに懸っている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫