鬻
鬻
名詞
標準
文例 · 用例
さて、このやうな境遇の男が、やがて來る自鬻の生活のために、どうしても小説を書かねばいけなくなつたとする。
— 太宰治 『猿面冠者』 青空文庫
さて、このような境遇の男が、やがて来る自鬻の生活のために、どうしても小説を書かねばいけなくなったとする。
— 太宰治 『猿面冠者』 青空文庫
三味線弾きて折々わが門に来るもの、溝川に鰌を捕ふるもの、附木、草履など鬻ぎに来るものだちは、皆この児どもが母なり、父なり、祖母などなり。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
侍女一 近頃は、かんてらの灯の露店に、紅宝玉、緑宝玉と申して、貝を鬻ぐと承ります。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
宮の入口に、新しい石の鳥居の前に立った、白い幟の下に店を出して、そこに鬻ぐは何等のものぞ。
— 泉鏡花 『茸の舞姫』 青空文庫
鰒は多し、また壮に膳に上す国で、魚市は言うにも及ばず、市内到る処の魚屋の店に、春となると、この怪い魚を鬻がない処はない。
— 泉鏡花 『茸の舞姫』 青空文庫
爺や茶屋は、翁ひとり居て、燒酎、油、蚊遣の類を鬻ぐ、故に云ふ。
— 泉鏡花 『逗子だより』 青空文庫
茶めし餡掛、一品料理、一番高い中空の赤行燈は、牛鍋の看板で、一山三銭二銭に鬻ぐ。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫