春宵
しゅんしょう
名詞
標準
spring evening
文例 · 用例
女|倶して内裏拝まん朧月 春宵の悩ましく、艶かしい朧月夜の情感が、主観の心象においてよく表現されてる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
「春宵怨」とも言うべき、こうしたエロチカル・センチメントを歌うことで、芭蕉は全く無為であり、末流俳句は卑俗な厭味に低落している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
折釘に烏帽子かけたり宵の春春の夜に尊き御所を守る身かな春雨や同車の君がさざめ言ほととぎす平安朝を筋かひにさしぬきを足で脱ぐ夜や朧月 引例を見ても解るように、特に春の句においてそれが多いのは、平安朝の優美でエロチックな文化や風俗やが、春宵の悩ましい主観において、特にイメージを強く与えるためなのだろう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
「春宵一刻、價千金、か。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
春宵一刻、――」などと、つまらぬ事を呟きながら木の虚から這ひ出ると、オヤ ナンデセウ サワグコヱミレバ フシギダ ユメデシヨカ といふ事になるのである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
以上は言わばたわいもない春宵の空想に過ぎないのであるが、しかし、ともかくもわれわれが金城鉄壁と頼みにしている頭蓋骨を日常不断に貫通する弾丸があって、しかもほんの近ごろまではだれ一人夢にもそれを知らずにいたというだけは確かな事実なのである。
— 寺田寅彦 『蒸発皿』 青空文庫
スウィッチを捻って昼の客をそのまま夜の客に更めて照し出した軒並みのキャフェのテラス――春宵のアンニュイに導かれて足はおのずと静なラシイヌ通りに踏み入る。
— 岡本かの子 『食魔に贈る』 青空文庫
「春宵一刻、価千金、か。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
作例 · 標準
春宵の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
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「ああ、こんなに美しい春宵は久しぶりだね」と二人は夜空を見上げた。
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庭には月明かりが差し込み、幻想的な春宵の雰囲気を醸し出していた。
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