幻辞.com

陀多

陀多
名詞
1
標準
文例 · 用例
これは三輪の社の大物主神が、勢夜陀多良媛という女の方のおそばへ、朱塗りの矢に化けておいでになり、媛がその矢を持っておへやにおはいりになりますと、矢はたちまちもとのりっぱな男の神さまになって、媛のお婿さまにおなりになりました。
鈴木三重吉 古事記物語 青空文庫
するとその地獄の底に、陀多と云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。
芥川龍之介 蜘蛛の糸 青空文庫
そこで※陀多は早速足を挙げて、踏み殺そうと致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。
芥川龍之介 蜘蛛の糸 青空文庫
御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、この※陀多には蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。
芥川龍之介 蜘蛛の糸 青空文庫
二 こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていた陀多も、やはり血の池の血に咽びながら、まるで死にかかった蛙のように、ただもがいてばかり居りました。
芥川龍之介 蜘蛛の糸 青空文庫
何気なく陀多はこれを見ると、思わず手を拍って喜びました。
芥川龍之介 蜘蛛の糸 青空文庫
こう思いましたから※陀多は、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。
芥川龍之介 蜘蛛の糸 青空文庫
ややしばらくのぼる中に、とうとう※陀多もくたびれて、もう一たぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。
芥川龍之介 蜘蛛の糸 青空文庫