階級制
かいきゅうせい
名詞
標準
文例 · 用例
しかし、戦争が絶滅するのは、最も多く圧迫された最後の階級であるプロレタリアートが、自ら解放されながら、全人類をも一般に階級制度から解放した時でなければならない。
— 黒島伝治 『反戦文学論』 青空文庫
花袋はこの小説に於ては、その階級制に制約されながらも、他の際物的戦争小説や多くの戦争文学の作者のように、意識的には支配階級におもねっていないのである。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
蝶ちゃんなぞ察しもつくまいが、僕の家なぞというものは、未だに階級制度が喧しい家で、番頭は番頭クラス以外には決して縁組の野望なぞ持たないんだよ」 あの娘はあゝやって三四年、主人の家で行儀作法を見習って、それから大体定まっている嫁入先へ片付くのだ、と説明しました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
然し階級制度だけに六ヶ月を經過した時には僕等は一躍して軍醫生といふので曹長の資格を保つやうになつた。
— 長塚節 『開業醫』 青空文庫
次に、昔は階級制度で社会が括られていたのだから、階級が違うと容易に接触すらできなくなる場合も多かった。
— 夏目漱石 『文芸と道徳』 青空文庫
僕はそのたびごと階級制度の厳重な封建の代に生れたように、卑しい召使の位置を生涯の分と心得ているこの作と、どんな人の前へ出ても貴女としてふるまって通るべき気位を具えた千代子とを比較しない訳に行かなかった。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
福山侯の家来成斎が、いかに幕府の奥医師の子を尊敬しなくてはならなかったかという、当年の階級制度の画図が、明に穉い成善の目前に展開せられたのである。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
それほどに階級制度の厳重な時代に生れて、家来が主人と恋をする。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫