瀰
瀰
名詞
標準
文例 · 用例
彼等の名は、餓鬼、天人、妖精等と呼ばれ、我等の身邊に近く住んで、宇宙の至る所に瀰漫してゐる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
「惜別」の意圖太宰治 明治三十五年、當時二十二歳の周樹人(後の世界的文豪、魯迅)が、日本國に於いて醫學を修め、以て疾病者の瀰漫せる彼の祖國を明るく再建せむとの理想に燃え、清國留學生として、横濱に着いた、といふところから書きはじめるつもりであります。
— 太宰治 『「惜別」の意圖』 青空文庫
さうして、つひに、中國がその自らの獨立國としての存立を危くしてゐるのは、決して中國人たちの肉體の病氣の故ではなくして、あきらかに精神の病ひのせゐである、すなはち、理想喪失といふ怠惰にして倨傲の恐るべき精神の疾病の瀰漫に據るのであるといふ明確の結論を得るに到ります。
— 太宰治 『「惜別」の意圖』 青空文庫
さま/″\の溜息、呻き、訴える声、堪え難いしかめッ面などが、うつしこまれたように、一瞬に、病室に瀰漫した。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
一八九四年(明治二十七年)朝鮮に東学党の乱が起って、これが導火線となって日清戦争が勃発するや、国内は戦争気分に瀰漫されるに到った。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
これらは、西鶴一流とは云うものの、当時の日本人、ことに町人の間に瀰漫していて、しかも意識されてはいなかった潜在思想を、西鶴の冷静な科学者的な眼光で観破し摘出し大胆に日光に曝したものと見ることは出来よう。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
一本のマッチをすればその光は全宇宙に瀰漫してその光圧は天体の運動に幾分の変化を生じなければならぬはずである。
— 寺田寅彦 『方則について』 青空文庫
人力以上にして、しかも、私たちにも備わり、天地の間にも瀰漫している力、すなわち、飽くまで生き抜く力であります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫