罪滅
ざいめつ
名詞
標準
文例 · 用例
久し振りの罪滅しに戀愛に關する告白をし合はうぢやないか……」 と、座の一人が提議しました。
— 南部修太郎 『S中尉の話』 青空文庫
唯今の姿を罰だと思って罪滅しに懺悔ばなしもいいまする。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
自分はどうしても誠実な人間にはなり切れなかったから、せめて罪滅しに一生、小説を書いて行きます、とでも言うのなら、まだしも素直だ。
— 太宰治 『風の便り』 青空文庫
父のそのいい置きを伝えた母は、また、その実家の罪滅しのためとて、若い身空ですべての慾情を断ったつもりでも、食意地だけは断たれず、嘆きつつもそれを自分の慾情の上に伝えている。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
むかしの男たちへの罪滅しのために若いものの世話でもして気を取直すつもりかと思っていたが、そうでもない。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
せめて、朝に晩に、この身体を折檻されて、拷問苛責の苦を受けましたら、何ほどかの罪滅しになりましょうと、それも、はい、後の世の地獄は恐れませぬ。
— 泉鏡花 『山吹』 青空文庫
罪滅のためだと思って母親の持った亭主は――間黒源兵衛――渾名を狂犬という、花川戸町の裏長屋に住む人入稼業、主に米屋の日傭取を世話する親仁。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
並んで出たのは、玄関下足番の好男子で、近頃夢中になっているから思いついた、頭から顔一面、厚紙を貼って、胡粉で潰した、不断女の子を悩ませる罪滅しに、真赤に塗った顔なりに、すなわちハアトの一である。
— 泉鏡花 『怨霊借用』 青空文庫