銀鈴
ぎんれい
名詞
標準
silver bell
文例 · 用例
突然、ユーストンの街路の銀鈴の響が尾をひいて、馬の踵の音が静寂な空気の中に運命的な号びをたてた。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
夢を訪ふものは銀鈴を振るやうな河鹿の聲ばかりであつた。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
金泥を空にながして彩つた眞夏のその壯麗なる夕照に對してこころゆくまで、銀鈴の聲を振りしぼつて唄ひつづけた獨唱の名手、天飛ぶ鳥も翼をとどめてその耳を傾けた、ああ、これがかの夕日の森に名高く、齢若き閨秀樂師のなれの果であらうとは!
— 山村暮鳥 『ちるちる・みちる』 青空文庫
と転がして、発奮みかかって、ちょいと留めて、一つ撓めておいて、ゆらりと振って放す時、得も言われず銀鈴が谺に響く。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
と恰も銀鈴のやうに澄み渡つた号令をかけ、ピアノが鳴り始めると、学生等は一勢に足並みそろへて、それからそれへ、様々な類ひの運動を懸命に繰り返します。
— 牧野信一 『舞踏学校見物』 青空文庫
杜鵑、鶯、それに銀鈴のやうに澄んだ声も聞えた。
— 徳田秋聲 『芭蕉と歯朶』 青空文庫
朗かな然も厳然たる音声で、恰も大理石の伝堂に反響する銀鈴の如く静に、……「汝!
— 牧野信一 『青白き公園』 青空文庫
」 銀鈴に触れるような爽かな声と共に、夫人は静かに扉をあけて入って来た。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫