海際
うみぎわ
名詞
標準
文例 · 用例
ただ、左手海際の林から雪崩れ込む若干の椰子の樹の切れ離れが、急に数少なく七八本になり三本になり、距てて一本になる。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
四世紀の初め穴から這い出て多く僧衆を聚め、更に紅海際の山中に隠れ四世紀の中頃|遷化した。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
ぱさ/\と蒹葭の葉を圧しつけるやうにして寄せて来る波、ざぶ/\と岸に溢れて下葉を浸し、入江の奥まで入り込んで来る夕方の潮、人も居ない海際の夕暮、水鳥の影も見えず、冷たい雲が水を閉ぢて、無論船も見えない。
— 吉江喬松 『海潮の響』 青空文庫
東野は一同の先に降りると、前の山下公園の方を一寸見てから、ホテルへ入らずつかつかと海際の公園の中へ入っていった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
私は海際にあるその電車の終点の湯の浜で兵士と一緒に降りた。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
海際の白い道が日増しに賑やかになって来た。
— 横光利一 『春は馬車に乗って』 青空文庫
眺めていると、きよらかな海際の社頭の松風のあいだに、どこやら微かに人声も聴えて来るという思いがする。
— 宮本百合子 『あられ笹』 青空文庫
六 二|挺をかけた舟が、洲崎弁天社の海際に着けてあった。
— 山本周五郎 『風流太平記』 青空文庫