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牛の歩み

うしのあゆみ
表現名詞
1
標準
snail's pace
文例 · 用例
(一八)焼酎の御馳走 一行は多少ヤケ気味に、それよりはブラリブラリと牛の歩み宜しく、またもや一里あまり進んで、南方村という寒村に来掛かれば、路傍の開放されたる一軒家では、褌一本の村の爺さん達四、五人|集って、頻りに白馬か何か飲んでいる。
押川春浪 本州横断 癇癪徒歩旅行 青空文庫
衛生も糸瓜もあったものではないが、こんな蛮勇には病魔の方から御免を蒙るのだから、途中腹を下すような弱虫は一人もなく、牛の歩みも一歩一歩黒羽町に近づき、この前途もう半里ばかりという処まで来かかると、ここにも飴ン棒など並べて一軒茶屋。
押川春浪 本州横断 癇癪徒歩旅行 青空文庫
想像力の抑制といふ事は蝸牛の歩みの絶対安全をもつてしても償ひ得ぬ悪徳である。
牧野信一 嘆きの谷で拾つた懐疑の花びら 青空文庫
たとい亀の歩みでも、牛の歩みでも、歩一歩ずつ進んでいるには相違ないと云うことだけは信じている。
岡本綺堂 綺堂むかし語り 青空文庫
この日の行路、わづかに五六里に過ぎざれど、翠葉、弱りに弱り、青ざめたる顏を、まうろく頭巾につゝみ、びつこ引きながら、牛の歩みを運ぶやうになりたるも哀れなり。
大町桂月 冬の榛名山 青空文庫
久しく自動車に慣れた近代人には牛の歩みの遅々としていかにも初春の気分になる。
平野萬里 晶子鑑賞 青空文庫
或は蝸牛の歩みよりも更に遅いものかも知れない。
芥川龍之介 僻見 青空文庫
その指貫の中から、下の袴もはかない、細い足が出てゐるのを見ると、口の悪い同僚でなくとも、痩公卿の車を牽いてゐる、痩牛の歩みを見るやうな、みすぼらしい心もちがする。
芥川龍之介 芋粥 青空文庫
作例 · 標準
例句